産地 福井・鯖江のこと
福井・鯖江のめがね① - 五左衛門とめがね産地の歩み
自然、伝統文化、
ものづくり、
そしてめがねのまち
The city of making GLASSES
緑と清流に恵まれた山々、日本海の荒波が作り出す壮大な景観が広がる海岸など素朴で飾らない自然の美しさ。 人々の心を支えてきた神社仏閣や五穀豊穣を祈り受け継がれてきた祭りなどの文化。 そして職人の手で一つ一つ丁寧に仕上げられる漆器、和紙、打刃物などものづくりの伝統。ここ福井は、自然、伝統文化、そしてものづくりの心が息づくまちです。
明治38年(1905年)、福井県足羽郡麻生津村字生野(現 福井市生野町)、ここは冬になると雪に埋もれる貧しい農村でした。この場所で福井のめがねづくりが始まります。
「なんとかふるさと生野の暮らしをよくできないものか」
増永五左衛門と弟の幸八はそのような想いから、雪深い村が冬の農閑期にも収入を得ることができる手段としてめがねづくりに目をつけます。大阪から職人を招き、村の男たちを巻き込んで一からめがねづくりを習得していきました。
その後、活字文化の普及と共にめがねの需要も増え、増永工場から始まっためがねづくりは現在の福井市から鯖江市をまたがる地域に広がり、「福井・鯖江」がめがねの一大産地となりました。
昭和56年(1981年)、産地では、堅くて軽く金属アレルギーを起こさない「チタン」素材を利用しためがね枠の研究開発に乗り出します。そして、加工が非常に難しく他国では成し得なかったこのめがねフレームの開発に、福井・鯖江が世界で初めて成功します。こうして福井・鯖江は世界最高水準の技術を有した世界的めがね産地となっていきます。
現在、福井県は「福井市」や「鯖江市」を中心に日本製めがねフレームの約95%※を生産し、世界最高品質のめがねを全国・世界へ届け続けています。
※平成26年度 福井県工業統計調査